晩白柚ルポルタージュ

熊本に住む33歳の日記です。 2019年5月までトロントでワーホリをしていました。一人旅、カレー、キャンプなどについて書いています。

うつ病患者がワーホリに行くべきでない4つの理由

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こんにちは。晩白柚です。

先週の晩白柚ルポルタージュ復活から、数回にわたってワーホリ完結編を書いてまいりました。今回は締めくくりとして、僕がワーホリから帰ってきて思う「うつ病患者はワーホリに行くべきでない」という考えについて、説明していきたいと思います。うつ病だけどいつかワーホリに行きたいという方に、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

 

僕とうつ病

大前提として、僕は4年ほど「反復性うつ病」を患っています。これについては、過去の日記で幾度か論じていますので、知っていらっしゃる方もいると思います。以前、財務省主計局という霞が関の国家行政を司る省庁のなかでもとりわけ激務のセクションに勤務していて、その際に罹ってしまったものです。

この日記でも周知のとおり、外出したりある程度の社会活動を送ることは可能です。「死にたい」と思ったりすることも、今はほとんどありません。症状としては、脳の動きが鈍って仕事のミスが多かったり、行動が遅かったり、そもそも情熱ややる気というものがわいてこない、困難に立ち向かうことができないということがあります。

一方で、旅行を通して各地の文化に触れることが好きな僕は、海外で暮らすことに憧れを持っていました。2018年、ワーキングホリデーという制度を使って海外で生活することを決意しましたが、うつ病が災いして志半ばに半年で帰国したことは如上のとおりです。

では、うつ病とワーホリはどういった部分で相性が良くないのでしょうか?

 

1.加入できる海外旅行保険がない

ない、というと語弊がありますね。(ほぼ)ない、です。

ご承知のとおり保険というのは既往症、つまり以前なんらかの病気に罹った人は加入を断られるのが常です。うつ病も例に漏れず、数ある保険会社の海外旅行保険のメニューではねられます。海外で入国する際には海外旅行保険証の提示を求められることがほとんどですので、加入できないのは致命的です。

僕が入ることができた保険はジェイアイ損害火災保険さんの「tabiho」です。この保険は既往症があっても、もちろん過去にうつ病に罹っていても、契約時点で完治していれば加入が可能です。僕は出発までに状態を安定させて、主治医の先生から「出発に問題ない」旨の診断書を書いてもらいました。とはいえ僕のうつ病は「反復性」なので、その後も何度も再発することになりますが‥。

 

2.滞在先で薬を入手するのに莫大なコストがかかる

1.と関連する問題です。上に述べた「tabiho」では既往症に関しては病院代がおりません。完治したという名目で出発しているので当然ですね。

僕は滞在中に精神不安定になり、結局薬を入手する必要が出てきました。トロント市内の病院に通院することになりましたが、診断と1か月分の薬代の200ドルを、保険がおりないので自腹で毎月払わなければなりませんでした。毎月カツカツで生活している身にとって、この出費は非常に痛いものになりました。

 

3.アルバイト中に指示を迅速に処理できない

うつ病には思考緩慢といって、言われたことをすぐに理解できなかったり、ミスを連発したりする症状があります。ワーホリのアルバイトでは、英語の指示を理解するだけでも大変なのに、うつ病が災いしてさらに理解するのにさらに時間がかかります。

僕はタイレストランのキッチンでバイトしていましたが、オーダーがすぐに処理できず、何度もオーナーに怒られた挙げ句、クビになりました。

 

4.ふりかかる困難に立ち向かうことができない

結局これです。これがすべてです。

薬代が毎月かさもうが、バイトをクビになろうが、困難に立ち向かう気力さえあればなんとかなります。ワーホリはまわりの何から何まで日本と違うという環境の中、すべて自分で解決していく必要があり、それが醍醐味でもあります。

しかしうつ病には、やる気がわいてこないという症状があるので、ふりかかる困難に立ち向かうのが非常に難しいです。僕は出発してから3か月くらいでHPが0になってしまいました。そういう有り様では、とてもではないですがワーホリを続けるのは無理だと思います。

 

結論.うつ病患者はワーホリに行かないほうがいいのか?

断定するのは非常に難しい問題です。

もし、今はうつ病を患っているけれど、将来ワーホリに行きたいという方がいれば、ワーホリに行くのはやめておけと言いたいです。

僕はすでにワーホリに行ってしまったので、自己肯定の面からも「あの経験をしてよかった」と言ってはいますが、まだ行ってない人はリスクが高すぎます。職を失う、非常にたくさんのお金がかかる、うつ病が再発するなど、取り返しのつかない損害を被る可能性がおおいにあります。

今うつ病を患っていて、「仕事が辛い。退職してワーホリにでも行こうかな」と思っている方がいたら、「本当にワーホリに行きたいのか?うつ病の辛さから逃げるための言い訳にワーホリを使っているだけじゃないのか?」ともう一度自問してみてください。

 

最後に

悪い癖で、また長々と書いてしまいました。非常に読みづらい文章ですが、過去の僕と同じ立場にいる方がいらっしゃれば、ぜひ読んでいただけるとブロガー冥利に尽きます。

今回をもって、2018年から長きにわたって扱ってきたワーホリの記事を締めくくります。自分の中でワーホリは終わりました。ただし英語に対する意欲が失われたわけではありません。これからも引き続き、TOEICや英検に野心的に挑戦するということを宣言して、この記事を終わろうと思います。