前回の日記にも書いた「ボツにしたネタ」その一です。11月中旬、熊本県央、八代市は日奈久にある温泉街「日奈久温泉」に行ってまいりました。日奈久温泉は自由律俳句の俳人・種田山頭火が愛したことで知られていますが、ある日ふと自分の本棚に目を向けた時、「山頭火随筆集」が眠っているのが目に止まり、山頭火フリークではない僕も一度は日奈久の湯に浸かって句のひとつでも詠まなければ、と足を運んだわけです。結論から言えば、ひなびた景観にたまらない風情を感じ、たとえ豪華でなくとも、湯船だけがあるような無骨な浴場を粋に思う人間(僕もその一人であります)であれば、十分に楽しめる場所だと思います。一方で、率直なところ、とてもじゃありませんが若者のデートスポットのような場所として提案はできません(日奈久の方、すみません)。
数時間に渡って日奈久の中を歩き回り、ひなびた景観を写真に収めましたので、今回はそれらの写真をダイジェストで紹介していきます。
2017年11月12日

日奈久の地に降り立つ。憩いの広場には山頭火の句碑

観光案内所「日奈久ゆめ倉庫」。ここでマップがもらえる

目に飛び込んでくる「空部屋有ります」。昔ながらの旅館が多い

今日では見かけなくなった背の高いポスト

100年前から味噌を作り続ける「丸屋商店」


日奈久といえば「ちくわ」と「ちぎり揚げ」。小腹が空いて、ちぎり揚げを頂いた。揚げたてはぷりぷりとした食感でおいしい

日奈久みやげとして、竹細工も有名

家の中から、団欒の笑い声が聞こえる

昭和のにおいがする住居表示

日奈久は猫が多い

日奈久最大の旅館「金波楼」は1909年建造。今日は日帰りだったが、ここに泊まってみるのも面白そう

さて、風呂に入る。まずは温泉センター「ばんぺい湯」。奇しくも僕のペンネームと同じ名前。2009年オープンで、どちらかというとスーパー銭湯のような様相。あまり風情は無かった。銭湯好きは次の「松の湯」へ行くのがよいと思う

次に訪れたのは1932年に共同浴場として創業された「松の湯」。規模は非常に小さめ

男湯

脱衣所と洗い場に仕切りがない、昔ながらの浴場形式。ここに「ケロリン」のイスはない。皆、床に座って湯船からお湯を掻き出しながら体を洗う。お湯の温度は公衆浴場にありがちな「熱すぎ」ではなく、心地よい程度

風呂から出たら、ビンのコーラを一杯

遅い昼飯は日奈久随一の喫茶店「ケント」さんで頂く

内装は昭和レトロな雰囲気

最後に、日奈久が一望できる「温泉神社」を訪れる

苔の生えた神社の境内は神聖な雰囲気

神社から見ることができる景色はまあまあといったところ

さて、どちらへ行かう風が吹く‥